芝咲胡桃のポエム
20 Oct 2026
炎上だけが、注目ではない。
画面の隅でくすぶる
誰かの怒りの残り香を横目に
僕らは今日も
静かな言葉を探している
刺激的なトゲが視線を奪い
刹那の熱狂がタイムラインを焦がすとき
それは確かに「世界」に届いたように見える
けれど
それは本当に「届いた」と言えるのだろうか
灰になるまで燃え盛る火花よりも
夜の底でそっと灯る
豆電球のような光にこそ
人が立ち止まる温もりがある
急がないこと
波風を立てずに深呼吸をすること
声高に叫ばない優しさが
誰かの心に深く染み入ることもある
風に揺れる草木のように
ただそこに在るだけで美しいものがある
派手な歓声の裏で
耳を澄ますと聞こえてくる
小さく、確かな鼓動
炎の向こう側には
もっと広くて、穏やかな景色が広がっている
僕らは、ただそれに気づくだけでいい

